
沖縄、1996
神様が創り給うたごとき島
旅人としてバイク走らす
これ以上何もいらない太陽と
白い砂浜遠浅の海
水平線あるかなきかの湾曲は
静かにかすみて夏の夕暮れ
湯上りのベランダ夜景広がりて
一人暮しのほんの贅沢
靄(もや)薄く夜は静かにつつまれて
ふと虫の声そっと吹く風
日曜日読書の日となる古本屋
伊藤左千夫の文庫見つけて
アスファルトでいごの花びら散り敷きぬ
桜を思う椿を思う
ガーリックしょう油こしょうの味付けに
何かが足りぬ今日の食卓
捨てられる運命なりて玉ねぎの
皮ひっそりと三角コーナー
なぜ一人なぜ我一人ここにいる
君なる人物欠けた風景
磯の辺に魚群れおり蛍光の
青鮮やかに亜熱帯なり
一条の軌跡を残し舟は行く
飛行機雲のごとき白波
君からの留守電何度も繰り返す
切なくなる程ただ繰り返す
暮れゆかば静かなりしか六畳の
部屋にて一人煙草吸いおり
遠距離の電話をしてはくだらなき
話などして東京の友
暗闇の魔力に閉ざさる夜の中
「八墓村」を読みふけりおり
風邪気味に早寝の床をしきおりて
喉は痛みぬつばき飲むたび
たまご酒鍋焼きうどんおかゆなど
頭に浮かぶ微熱感じつ
おとついの君の告白思い出す
三日遅れのチョコの小包
初めての君への手紙綴りおり
音の静かに電気ストーブ
玉ねぎとポークしんなりからませて
十八番なりソーメンチャンプル
新しき命芽生えり新緑も
喜びの色陽はぽかぽかと
君想う心で我は満たされて
煙草吸いおり満月の夜
二週間切ってカウントダウンなり
三月四日逢瀬の日まで
感想なんかもらえるとうれしいですね。
tanakanoh@mail.goo.ne.jp
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